
the_title_rss()とは?
the_title_rss()
は、WordPress の RSS フィードテンプレートで使われるテンプレートタグで、投稿またはページのタイトルを表示(エコー)するための関数です。主に RSS フィードや Atom フィードを生成する際に用いられ、通常のテーマファイル(例:single.php
や archive.php
)では使用されません。
the_title_rss()の基本構文
the_title_rss();
この関数はタイトルを「出力(echo)」するため、HTMLに直接表示されます。出力結果はすでにエスケープされており、フィードとして不正にならないように処理されています。
類似関数との比較
関数名 | 主な用途 | エスケープ | 出力 or 返り値 |
---|---|---|---|
the_title() | 通常の投稿タイトル出力用 | 一部HTML許容 | echo(出力) |
get_the_title() | タイトルの取得(出力しない) | 手動でエスケープ必要 | return(返り値) |
the_title_rss() | RSSフィード用のタイトル出力 | XML向けにエスケープ済み | echo(出力) |
the_title_rss()
は、フィード内で使われることを前提に設計されているため、タイトル内の記号(例:&
や <
など)は &
や <
のように適切にエスケープされます。
the_title_rss()の使用されるテンプレートの例
the_title_rss()
は通常、以下のようなテンプレートファイルで使用されます:
feed-rss2.php
feed-atom.php
feed-rdf.php
これらは WordPress が RSS フィードを出力する際に自動的に読み込むテンプレートです。カスタマイズが必要な場合はテーマディレクトリにこれらのファイルをコピーして編集することができます。
<item>
<title><?php the_title_rss(); ?></title>
<link><?php the_permalink_rss(); ?></link>
<description><![CDATA[<?php the_excerpt_rss(); ?>]]></description>
</item>
上記のように the_title_rss()
は <title>
タグの中で使用され、投稿のタイトルを表示します。
the_title_rss()の内部処理(ソースコード)
WordPress のコアファイル内の定義は、次のようになっています(wp-includes/feed.php
に記述):
function the_title_rss() {
echo get_the_title_rss();
}
つまり、実際の処理は get_the_title_rss()
という関数に任されています。これにより、開発者は出力せずに値だけ取得したい場合は get_the_title_rss()
を使用できます。
function get_the_title_rss() {
$title = get_the_title();
/**
* Filters the post title for use in a feed.
*
* @since 1.2.0
*
* @param string $title The current post title.
*/
return apply_filters( 'the_title_rss', $title );
}
この関数ではフィルターフック the_title_rss
を通じて、開発者がタイトルをカスタマイズすることも可能です。
the_title_rss()のカスタマイズ例:接頭語を追加する
タイトルに接頭語「[ブログ] 」を追加したい場合、以下のようにフィルターフックを利用します。
function my_custom_rss_title( $title ) {
return '[ブログ] ' . $title;
}
add_filter( 'the_title_rss', 'my_custom_rss_title' );
このコードを functions.php
に記述すれば、RSSフィード上のすべてのタイトルに [ブログ]
が自動で追加されます。
the_title_rss()の注意点
- HTMLタグは基本的に使えません:フィード内では XML の構文上の制約があるため、タイトル中の HTML タグはすべて除去またはエスケープされます。
- 全文配信との関係:RSS フィードで「全文配信」にしていても、
the_title_rss()
はタイトルのみを扱うため、本文の出力にはthe_content_feed()
など別の関数を用います。 - 日本語の文字化け対策:WordPress の標準機能で文字コード(UTF-8)が指定されているため、日本語も正常に表示されるのが一般的ですが、外部のRSSリーダーの仕様により文字化けする場合があります。
the_title_rss()のよくある質問(FAQ)
the_title_rss()
の代わりにthe_title()
を使ってもよいか?-
基本的には推奨されません。
the_title()
はHTML出力用で、RSSフィードに不適切な文字が含まれる可能性があります。必ずthe_title_rss()
を使用してください。 - タイトルに投稿日時を含めたい場合は?
-
the_title_rss()
の出力にカスタマイズを加えるには、フィルターフックを使います:add_filter( 'the_title_rss', function( $title ) { return $title . '(' . get_the_date() . ')'; });
the_title_rss()のまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
用途 | RSSフィードで投稿タイトルを出力 |
エスケープ処理 | XML向けに自動で行われる |
フィルター | the_title_rss でカスタマイズ可能 |
出力形式 | echo(直接出力) |
使いどころ | feed-rss2.php などのRSSテンプレート内 |
the_title_rss()
は日常のテーマ開発ではあまり意識されないかもしれませんが、RSSフィードの品質や安全性を高めるために重要な役割を果たします。特にポッドキャスト、ニュースサイト、ブログなどで外部配信を行う場合には、フィードの構文正当性が問われるため、この関数の正しい使用が不可欠です。カスタマイズも簡単なので、RSS配信を行うサイトでは一度見直してみる価値があるでしょう。