ブロックエディターに慣れない人の必須プラグイン
私がはじめてWordPressでウェブサイトを構築したのはあまり記憶が定かではありませんが2007年か2008年頃だったと思います。その頃のWordPressと言えばインストールも今のようにお手軽という感じではありませんでしたし、エディターもある程度HTMLを知っていないと使いこなせない部分も多かったように記憶しています。当時は同じようなツールとしてNucleusやMovable Type、Xoopsなどが登場して時間が少し経過したところで、インターネット上でもその活用方法についての情報も充実し始めていました。
私も様々なCMSを使ってみたりしましたが、結局、現在まで長く使い続けているのはWordPressですし、多くのウェブサイトがWordPressで構築されているという現状も理解できます。そんなWordPressですが不定期に更新が繰り返され2018年にリリースされたバージョンから投稿画面のエディターが一新されました。それが「ブロックエディター」です。
当時はすでに公開されている多くのプラグインやテーマが正常に動かないという事もあり、以前のエディターに戻すことが出来るプラグイン「Classic Editor(クラシックエディター)」も併せてリリースされました。私も当時はブロックエディターに戸惑いました。しかし、ウェブ制作の現場で新規顧客に「クラシックエディター」を使わせることは疑問に感じ新規の案件では積極的にブロックエディター対応のウェブサイト制作を行ってきました。
もちろん、サポートを継続しているクライアントの中には「使い慣れたクラシックエディターのほうがいい」と現在でもクラシックエディターを利用している方もいます。そんなクラシックエディターですが、私は2020年にこんな記事を書いています。この記事を書いている時は「クラシックエディター」のサイトでは2021年までのサポートとなっていましたが現在もまだサポート中で「少なくとも2024年まで、または必要なくなるまでの間、完全にサポート・保守されます。」と書かれているのでまだまだ当分は使えると思います。
「Classic Editor」のインストール
- WordPress管理画面(ダッシュボード)左側のメニュー「プラグイン」→「新規プラグイン追加」をクリック。
- 「Classic Editor」を検索。検索しなくても最初から表示されていると思います。
- 「今すぐインストール」をクリック。
- インストール完了後「有効化」をクリック。
「Classic Editor」は何か設定するとかそういうことは無いので「有効化」するだけで投稿や固定ページの編集画面がクラシックエディターになります。ただ管理者は他の編集者が使用するエディターを選択したりすることが出来ます。また、ブロックエディターとクラシックエディターを併用するなんてことも出来るようですがどういうケースでそうなるのかよく分かりません。
クラシックエディターを使うメリット
さて、クラシックエディターを使うメリットは何でしょうか?ブロックエディターに慣れないという人が一定数いるのはわかりますが一番の理由は「現在のサイトをブロックエディターに対応させるコストと時間がない」ことだと思います。例えば10年間WordPressで運用しているウェブサイトで記事数も数千記事あったとすればブロックエディターに対応させてサイトをリニューアルさせても過去の記事が意図せぬレイアウトの乱れが起きてしまう可能性があります。その可能性をひとつひとつ潰していくのはなかなかの作業となります。
心の中では「いつかはブロックエディターに…」とは思っているのだろうと想像しますが、その面倒な作業を前に「また今度でいいか…」という思考になっているのではないかと思います。そんな人にはクラシックエディタープラグインはすごくありがたいですし、出来ることなら永遠にサポートしてくれたらと思っているに違いありません。
クラシックエディターに慣れてるんだからそのまま使いたいわ。
クラシックエディターと使うデメリット
ブロックエディターに変わった2018年当時はともかく、現在ではほとんどのプラグインやテーマがブロックエディターに対応しています。ブロックエディターを使っていないとそれらの機能を十分に生かすことが出来ません。また、サポートの終了は無いとは思いますが…絶対にないとも言い切れません。出来ることならブロックエディターに対応しておいた方が良いとは私は思います。
また、クラシックエディターを使うかブロックエディターを使うかの問題はWordPress初心者には関係のない話です。初心者の方はブロックエディターを使えば良いです。ただ、注意しなくてはいけないのは企業や団体、個人事業主の方がWordPressを活用してウェブサイトの制作を依頼するときに、そのホームページ制作業者がブロックエディターに対応していないホームページを作ったりしないか?という点です。
また、WordPressのテーマ販売サイトでテーマを購入してウェブサイトを自分で作成することもあるでしょう。販売されているWordPressテーマがブロックエディターに対応していないというものも見られますので注意が必要です。購入前に販売サイトで確認しておくことをおススメします。
ブロックエディターで利用できるけど自分の好みでクラシックエディターを使うというのなら良いのですが、最初からクラシックエディター一択というのは感心できません。特にWordPress初心者の方はそこら辺を注意しましょう。
実際にあったお話ですが…
私は現在は当然ブロックエディターでサイトを運営することを前提にウェブサイトを構築しています。新規の案件はもちろんですし、WordPressのリニューアル案件でもブロックエディターをおススメしています。昨年、ある中小企業のウェブサイトを構築し納品した後の出来事ですが、そのお客様から「ブログの投稿画面がおかしい」との連絡がありました。運営のサポートはしていなかったので納品後2年ほど経っていました。
ダッシュボードにログインさせてもらうと投稿画面がクラシックエディターになっています。私は「Classic Editor」プラグインは入れていないのにプラグインがインストールされ有効化されています。事情を伺うとSEO業者がブログの投稿代行をしてくれるというのでしばらく任せてみたとのこと。効果も感じられないので1年で契約を終え、自社でブログを投稿しようと思ったら画面がおかしくなっていたとのことです。
そうです。その業者がブロックエディターを使うのがイヤで勝手に「Classic Editor」をインストールしてクラシックエディターで投稿していたのです。まぁ唖然とするような話です。
こんなことは滅多にあることではないと思いますが、もしあなたが今どこかの業者にWordPressを活用したウェブサイトの制作を依頼しようと考えていたり、サイトの運営代行業者に依頼しようと考えていたり、WordPressのテーマを購入しようと考えていて…これまでにWordPressをクラシックエディターで運用したことがないのであれば必ず確認しましょう。
ブロックエディターですか?
クラシックエディターですか?